情報システム:帳票・出力ソリューション<

帳票機能と個別アプリケーションを切り離す

柔軟でより先進的な帳票活用の実現が求められます

基幹業務がオープンシステム上で処理されるようになってから、開発者は常に「メインフレームと同等の帳票出力環境」の実現に頭を悩ませてきました。

近年ではさらに、企業をとりまく環境がめまぐるしく変化するようになりました。合併、再編成、新規事業の立ち上げに加えて、個人情報保護法や日本版SOX法など、企業責任を問う法令も相次いで制定・試行されました。帳票は、ビジネスの変化のスピードに追随できる機敏さまで求められるようになったと言えます。

帳票の開発フェーズにおいて、スピードアップを実現するためには、各種の帳票ツールの利用が近道です。これまでは、「新しいツールの使い方を学んでいるよりは、COBOLやJavaで直接プログラミングしたほうが早い」という考え方がほとんどでした。しかし、システムの移行、拡張、連携が頻繁に行なわれるようになった現在では、「次の作り直し」まで含めて開発期間を要する必要があります。

開発支援ツールを用いれば、作成したフォームは「次の作り直し」でも再利用することができます。現在は、新たなコーティング作業をできるだけ減らして、再利用を勧める発想が大切である。さらに、帳票の設計、生成、出力の機能を統合的に実現して、複数のアプリケーション間で共用できるようにする帳票サーバー製品もあります。

従来のシステム開発では、帳票生成機能を個別アプリケーションの中に組み込んでいました。帳票機能を実現する統合基盤を確立してしまえば、個別アプリからはテキスト・データやXMLデータを出力するだけで、プリンタへの紙出力やPDF生成などの後処理は、帳票サーバーに任せることができます。

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SOAに対応して帳票機能のサービス化も進化

ビジネスの変化へ機敏に対応するというニーズから、SOA(Service Oriented Architecture)も脚光を浴びています。SOAは既存アプリケーションの機能をサービス単位で再利用する技術で、アプリケーションの開発期間を大幅に短縮し、ビジネスニーズの変化に即応できる開発アプローチです。

SOAは、ビジネスプロセスに即した「サービス」というかたまりを、他のシステムから利用できるようにするものです。つまり、インターフェース部分には、グローバルな標準技術を用いることが大前提となります。

ソフトウェアの機能を遠隔呼び出しするときのプロトコルとしてXMLベースのSOAP(Simple Object Access Protocol)を標準的に用いるWebサービスは、この条件にぴったりあてはまることから、SOAとWebサービスは同義的に扱われるようなりました。つまり今後は、SOAとWebサービスを用いたアプリケーション開発が急速に増えていくと予想されます。

帳票に関わる機能も、サービスとして切り出して他のアプリケーションへ組み込めるようにすれば、アプリケーションの開発スピードは格段に速くなります。SOAPにさえ対応していれば、さまざまなプラットフォームに合わせてJava用帳票フォーム、ActiveX用帳票フォームなども個別に開発する手間もいりません。帳票作成機能及び出力機能をサービスとして再利用する意義は大きいと言えます。

しかし、Webサービスにおいては、データベースの検索、検索結果をマッピングしての帳票生成、プリンタへの帳票出力といった数多くの複雑なプロセスを全てSOAPでコントロールすることになります。したがって、従来と同等の使い勝手を実現するためには、さまざまな工夫が必要となります。

大きな問題は、帳票データは大容量になりやすいという点です。美しい罫線が多用され、会社ロゴなどのイメージデータも添付され、表記能楽視される帳票は、数値データそのものは小量であっても大容量となります。さらに、オーバーレイで帳票データを生成したうえでPDF化して出力するといったプロセスを踏むと、サーバーにも回線にも過大な負荷がかかります。出力するプリンタが低速であれば、データを展開している最中に回線が自動的に切断されてしまうこともあります。

解決策としては、帳票データを受け取ったら、いったん回線を切り、非同期で処理を行なう方法が一般的です。また、帳票生成サーバー機能を提供する製品の中には、CPUリソースを消費するPDF生成などに際してはサーバー間で効果的な負荷分散を自動的に行なったり、プリンタからメッセージを取得してプリンタが作業中であれば回線を切断しないように帳票データの送信側に伝える機能を提供するものも登場してきています。

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